フリーランスの経費、どこまでOK?迷いやすい10項目

フリーランスの経費、どこまでOK?迷いやすい10項目

「これって経費にしていいの?」は、フリーランス・個人事業主の方からいちばん多くいただく質問です。経費にできるかどうかの基本の考え方はシンプルですが、実際には「私用と仕事が混ざっている」ものが多く、そこで迷います。この記事では、考え方の軸と、特に迷いやすい10項目を整理します。

結論:経費にできるかどうかは、「事業のために必要な支出だと説明できるか」で決まります。自宅の家賃やスマホ代のように私用と混ざるものは仕事で使う割合だけを経費にし、一人での食事・普段着・健康や美容の費用は原則として経費になりません。

目次

経費になるかどうかの基本:「事業のために必要か」を説明できるか

経費とは、売上を得るために必要な支出のことです。判断の軸は、「その支出が事業にどう関係しているかを、第三者に説明できるか」です。説明できるなら経費、できないなら経費ではない、と考えると迷いが減ります。

そして、私用と仕事の両方に使っているものは、仕事で使っている割合だけを経費にします。これを「家事按分(かじあんぶん)」と言います。

迷いやすい10項目

1. 自宅の家賃・光熱費 → 仕事で使う分だけ按分

自宅で仕事をしているなら、仕事に使っている部屋の面積の割合や、使っている時間の割合で按分して経費にできます。たとえば、家賃10万円で、仕事部屋が全体の25%なら、2万5千円が経費です。割合の根拠(間取り図など)を残しておきましょう。

2. スマホ代・ネット代 → 仕事で使う分だけ按分

1台のスマホを仕事と私用の両方で使っているなら、使用割合で按分します。仕事専用の回線や端末を分けている場合は、その分は全額経費にできます。

3. カフェでの作業代 → 事業目的が説明できる範囲で

カフェで作業したときのコーヒー代は、判断が分かれる項目です。「集中して作業するための場所代」として説明できるなら、経費として認められる余地があります。ただし、食事代や、作業とは関係ない飲食は対象外です。金額が大きくなると説明が難しくなるので、常識的な範囲にとどめておくのが無難です。

4. 取引先との飲食 → 経費(交際費)

取引先や仕事関係の相手との飲食は、交際費として経費にできます。個人事業主には交際費の上限額はありません。ただし、「誰と」「何の目的で」を領収書の裏やメモに残しておくことが大切です。

5. 一人での食事 → 原則、経費にならない

仕事中であっても、自分一人の食事代は経費になりません。食事は仕事をしていなくても必要なもの、という考え方です。出張先での食事も同じです(会社員のような日当の仕組みは、個人事業主にはありません)。

6. スーツ・服 → 原則、経費にならない

仕事でしか着ないつもりのスーツでも、私用でも着られるものは経費として認められにくいです。一方、作業着や制服、仕事でしか使わない衣装、名入れのユニフォームなどは経費にできます。

7. 書籍・セミナー・オンライン講座 → 事業に関係するなら経費

仕事のスキルや知識のための書籍代、セミナー代、講座の受講料は経費にできます。趣味や一般教養の範囲のものは対象外です。資格取得の費用は、その資格が今の事業に直接必要かどうかで判断が分かれます。

8. パソコン・カメラなどの機材 → 金額によって扱いが変わる

仕事で使う機材は経費ですが、金額によって計上の仕方が変わります。

  • 10万円未満:買った年に全額経費
  • 10万円以上40万円未満:青色申告なら買った年に全額経費にできる特例あり(年間300万円まで)
  • 40万円以上:数年に分けて経費にする(減価償却)

私用でも使う場合は、ここでも按分が必要です。

9. 交通費・出張の宿泊費 → 経費

打ち合わせや現場への移動、出張の交通費・宿泊費は経費です。電車代は領収書が出ないことが多いので、交通系ICカードの利用履歴や、日付・区間・目的のメモを残しておきましょう。

10. 健康診断・ジム・美容院 → 原則、経費にならない

健康管理や身だしなみにかかる費用は、事業に関係なく必要なものとされ、経費として認められにくいです。医療費は経費ではなく、確定申告の「医療費控除」で扱います。

あわせて知っておきたいこと

経費にならない税金・なる税金

所得税と住民税は経費になりません。一方、個人事業税、事業用の固定資産税、消費税(税込経理の場合)、印紙税などは経費になります。国民健康保険料と国民年金保険料は、経費ではなく「社会保険料控除」として所得から差し引きます。

領収書がないとき

電車代や自動販売機、ご祝儀など、領収書が出ない支出は、日付・金額・相手・目的を書いたメモ(出金伝票)で代用できます。「領収書がない=経費にできない」ではありません。

まとめ

  • 判断の軸は「事業との関係を説明できるか」
  • 私用と混ざるものは、仕事で使う割合だけを経費に(家事按分)
  • 一人の食事、私服、健康・美容は原則対象外
  • 誰と・何のために、のメモが経費を守る

参考資料

(いずれも2026年9月26日確認)

経費の判断は、業種や働き方によって変わります。「自分の場合はどうか」は、初回相談(60分まで無料)で領収書を見ながらお答えできます。チャットで気軽に聞ける顧問契約もご用意しています。

※この記事は2026年9月時点の情報にもとづいています。経費の扱いは業種や個別の事情によって判断が分かれることがあります。具体的な判断はご相談ください。

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この記事を書いた人

高橋 匠のアバター 高橋 匠 税理士

税理士(関東信越税理士会 所沢支部所属・登録番号 第129735号)。会計事務所に約11年勤めたのち、2021年4月に所沢市で高橋匠税理士事務所を開業。起業したばかりの方・フリーランス・副業の方の税務を中心にサポートしています。

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